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MEWS たろうクリニックからのお知らせ

2017.12.17(日)
上野秀樹先生による「認知症 見立て研修会」を開催しました。

今日は上野秀樹先生の「認知症 見立て研修会」でした。

認知症の見立てを、ケースを通して学ぶ会で今回のテーマはアルコール関連障害。

見立ての第一段階は、状態の評価
認知機能障害(記憶障害、見当識障害)、精神症状、生活障害を評価します。
今回のケースは、一見よくある事例紹介の内容でしたが、その内容から認知機能障害や生活障害を評価しようとすると情報が足りず判断がつかないというもの。ディスカッションをして色々と想像するにはいいケースでしたが、実際に既往歴や現病歴として記録する場合には、きちんと状態の評価ができるよう記載する必要があることを学びました。
特に、認知症というと認知機能障害の評価に注目しがちですが、実際に大事なのは生活障害で、生活障害をきちんと評価することがここでは重要となります。

見立ての第二段階は、改善可能な部分の検討
せん妄や、薬剤の副作用、甲状腺機能、栄養状態、慢性硬膜下血腫など、いくつか気をつける点がありますが、今回は特にアルコール関連障害について学びました。
アルコールに関して日本は文化的に寛容ですが、飲酒によって認知機能障害や精神症状、生活障害を引き起こしているケースはたくさんあります。
きちんと飲酒量を評価し、必要であれば飲酒の減量を行なっていき、依存症と考えられれば専門の医療機関を紹介することが必要になります。
見立てにおいて最も重要で、最も見過ごされがちなのがこの改善可能な部分の検討です。

見立ての第三段階が疾病診断
認知症の病型を診断することになります。

現状では、認知症の評価をそもそもされていないこと、評価をされていたとしても認知機能障害があればアルツハイマー病もしくは単に「認知症」と病名(実際には「認知症」は病名ではないです)をつけられ自動的に認知症治療薬が処方されるということが、まだまだ多いように思います。
認知症の見立てをきちんと行い、生活障害をきちんと評価すること、改善可能な部分に注目することが、認知症治療薬を処方するよりも認知症臨床において重要だと考えます。

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