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MEWS たろうクリニックからのお知らせ

2017.10.10(火)
上野秀樹先生研修会でした《10月8日》

10月8日に、上野秀樹先生の研修会を当院で開催しました。
テーマは、「認知症のみたて」。
内容をかいつまんでご紹介すると、

認知症医療における見立てでは、
第一段階で、状態の評価
第二段階で、改善可能な部分の検討
第三段階で、疾病診断を行う

第一段階の状態の評価では、
記憶障害、見当識障害、理解・判断力の低下という認知機能障害の側面を評価し、
次に生活障害の側面について評価する。これには、IADLとBADLについて考える。
そして、精神症状の側面を評価する。

第二段階では、改善可能な部分の検討を行う。
ここが、特に重要で、見逃されてることも多いところ。
認知症とは、病名ではない!
認知症とは、
「脳の機能低下から、認知機能障害が起こり、この結果として生活障害が起きた状態」
この、脳の機能低下を引き起こす原因が様々あり、中には治せるものもあるため、きちんと診断することが重要になる。
治療可能な認知症では、脳の機能低下が一時的で、まだ神経細胞が死んでない状態。
具体的には、正常圧水頭症や慢性硬膜下血腫、甲状腺機能低下症など。
しかし、この状態も長く続くと、神経細胞が減少し改善が望めなくなる。 
うつ病でも、認知症のような状態になる。うつ病の診断には2質問票法を使う。

第二段階で治療可能な部分の検討を充分行ったら、第三段階で認知症性疾患の検討を行う。
認知症の原因となる病気は70種類くらいある。
違いは、脳の神経細胞が減少する理由。
アルツハイマー型認知症が50%、脳血管性が20%、レビー小体型認知症が10%で、この三つで80%を占める。
脳血管性認知症は、4タイプに分けられ、それぞれ起きる仕組みから使用する薬も違う。
レビー小体型認知症は、パーキンソン病と同じグループにある病気で、パーキンソン症状、幻視、動揺する認知機能障害が特徴。
アルツハイマー型認知症では、FAST分類にしたがって進行していくため、予測ができる。
それぞれの認知症が重なり発症することも珍しくない。
アルツハイマー型認知症は進行性で徐々に悪くなるものだが、実際には状態に波がある。何が原因でこの状態の波が起きているかを判断することが必要になる。

認知症の治療薬は、根本の神経細胞減少に効果があるわけではない。
あまり期待しすぎず使用すること。
副作用に充分注意すること。

以上の内容をケースを交えながらわかりやすくご講演くださいました。

特に、認知症の治る部分についてきちんと評価し対応することが重要だと考えます。
当院では、通院困難な認知症の方に訪問診療を行っています。
お困りの方がいらしたら、ぜひご連絡ください。

 

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