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MEWS たろうクリニックからのお知らせ

2019.06.04(火)
認知症予防について

認知症対策大綱のなかで認知症予防が話題になっています。

 

一次、二次、三次予防に分けて考える必要があると考えています。

まず、一次、二次、三次予防について簡単に説明すると、
一次予防は、疾病の発生を予防すること。
二次予防は、発生した疾病を早期発見し重症化しないようすること。
三次予防は、疾病の発生後に適切な支援を受けて機能の維持、回復を図ること。
です。
単に予防という時は一次予防を指すことが多く、この大綱の中でも一次予防の目標数値が示されました。

 

認知症予防においても一次予防での取り組みは重要で、人と話すことや運動すること、バランスの良い食事、十分な睡眠、禁煙、難聴対策などは認知症の発症を遅くするというエビデンスがあります。
しかし、一次予防ばかりを重視すると、発症した方は「予防に失敗した可哀想な人」になってしまうため結果的に多くの方が診断を避けて二次予防の遅れを招いてしまいます。
二次予防が失敗して認知症の診断が遅れることで、生活障害によって失敗が増えた方がそれまでの生活を維持できずに引きこもり、人と話さず運動せず昼夜逆転の生活をおくってしまって認知症が重症化し三次予防も失敗することに繋がってしまいます。

 

また、一次予防の強調にはもう一つの心配があります。
それが予防の過度なビジネス化です。
十分なエビデンスのないサプリメントや学習法などが、不十分なエビデンスをもとに「認知症予防に効果がある」と宣伝されビジネス化されてしまうのは多くの不幸を生んでしまいます(ちなみに、WHOのガイドラインでも「認知症予防にサプリメントは推奨しない」とされています)。

 

認知症予防は重要です。
一次予防として健康的な生活を推進しながら、認知症を恐れず早期発見できるような仕組みも作っていき、発症後も本人の望む生活を続けていけるよう考えていくことで三次予防になるような大綱になればと期待しています。

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